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こたろう博物学研究所
探訪記録:20010103

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黒森登山(川内町/丹原町)【平成13年(2001)1月3日】



年末年始休の最終日である。明日から仕事に追われる忙しい日々が再開する。前日の天気予報でもまずまずの天気のようであり、なんとか2001年の初頭を飾る登山をしたいと思案を練っていた。出来れば冠雪した石鎚の姿を拝みたい、日の出の御来光を浴びてみたい.....しかし、ここ1ヶ月半ほどは山歩きから遠ざかっているので近場・短時間登山が好都合である.....ということで、東割石山、面木山辺りにターゲットを絞ってみた。

しかし、目覚めたのは7:00。ちょっと出遅れてしまった。
部屋のカーテンをめくってみると、白々と夜は明けつつある。どうも天気は良さそうだ。早速身支度を整えて7:10頃自宅を出発。

県道23号線(伊予川内線)沿いのコンビニで食料調達後、国道11号線を東へ。川内町落出より右折し、滑川左岸沿いの県道302号線(皿ヶ嶺公園滑川線)を南進する。滑川コミュニティ広場のところには正月飾りと「賀正・ようおかえりたなもし」との大弾幕が掲げられている。

滑川林道改修碑の建つ面木山登山口のところには、前回登山時(2000年1月22日)には無かったはずの「面木山988m」との案内板が掲げられている。ここで一旦車を停めて、再度地図を開いてみる。「そういや、面木山よりも更に南側にも名の付く山があったはずだよなぁ」手元の30,000分の1の地図には、標高903.9mの黒森が記されている。ここならば、面木山よりも更に石鎚に近い。絶景が期待できるのでは....。そう思いながら、迷わず更に南へと車を走らせる。いつもながらの行き当たりばったりの山行である。

滑川中・梅薮の集落を通り抜け、滑川停留所のところで左折する。車1台の通行がやっとの細い道であり、離合しなくて済むことをひたすら祈ってしまう。やがて平家落人伝説の残る九騎集落へと出る。10戸にも満たないほどの鄙びた静かな集落である。集落の入り口のところには「九騎道路改修記念碑」が建っている。昭和52年8月に着工、昭和56年3月に竣工。総延長1,600mと記されている。

集落を通り過ぎてしばらくすると「林道・九騎線(幅員3.0m、延長0.7km)」の起点標識が立っている。ガタガタ道に突入することを覚悟しながら進むのだが、思ったよりも奥までアスファルト舗装が施されている。
アスファルトが途切れる少し手前のところに数台は駐車可能なスペースがある(*1)のだが、もう少し先へと進んでみることにする。すぐさま、車1台が置けるスペースがあったのだがここも通り抜け、未舗装道路を先へと進む。車の通行が少ない(いや「殆ど無い」というほうが正解)せいか、道の中央は枯れ草が背を伸ばしており、車の腹をガリガリといやらしい音を立てながら擦ってくれる。行けども行けども車を止めることはおろか、Uターン可能なスペースは見つからない。「こりゃ最悪バックで引き返さんといかんなぁ」と思っていたのだが、有り難いことにヘアピンカーブの手前に車1台がかろうじて置ける場所を発見。早速車を折り返して、路側に車を停めて、そして登山へと移る。時刻は8:28。

(*1)黒森登山を試みるならば、アスファルト舗装切れ目手前に車を停めるのが好ましいだろう。

林道をのんびりと進んでいく。所々、路側から道へと湧き出た水が凍りついている。そういや落出からの県道入口のところに建っていた電光掲示板の標識に「現在の温度0℃。凍結注意」と記されていたのを思い出した。寒いには寒いが、歩いているとそのうち身体も温もってくるだろう。歩き始めて5分ほどで林道終点の九騎峠に出る。左手に営林小屋が建っている。林道は鎖で封鎖され、所有者による「これより入山禁止」の標識がぶらさがっている。

さてこれよりどう進めばいいものかと考える。ふと後ろを振り返ると、黒森らしき山が聳えている。方角的には左手である。営林小屋の裏手に回ってみると、踏み跡と赤テープを確認できたので、これに間違いない。雑木林を進むと背の高いスズタケに覆われるのだが、登山道は刈り込まれており、よく手入れが行き届いている。やがて紅白のポールが立つ小ピークへ辿り着く。営林小屋から歩いて約8分である。ここから一旦下って小ピークをもう一つ越して更に下り、コルからは枯れ草に包まれた上り道が続く。後方には青滝山・堂ヶ森・二ノ森・石鎚山へと連なる山々が白い雪を携えて悠々と聳えている。右手には三ヶ森の姿も見える。実に壮大な眺めである。何度も振り返りながら急坂を登ると見晴らしのよいピークに出る。ここにも測量用の紅白のポールが立っている。ここは実に眺望に優れている。時刻は8:52と歩き始めて30分にも満たないが、景観を楽しむためにリュックを下ろして小休止する。青滝山・堂ヶ森・二ノ森・石鎚山の姿はもとより、はるか南西の方角には僅かながら冠雪している石墨山の姿も見える。

ここからは快適な尾根道だ。周囲の山の姿は木々の間から拝めるものの有り難い。尾根道を20分弱でやや急な上り坂となるが、至って歩きやすい道である。そこを上りつめると山頂らしきピークに出るが、周りの景色が望めない。「おや?山頂からは絶景は拝めんのかなぁ....」と思いながら辺りを見回すが、三角点らしきものもない。先へと道は続いているので、取りあえず進んでいく。すると、突如西面以外の景色がぱっと開けてくる。三角点・紅白ポールが立つ黒森山頂である。9:15到着。

東から南にかけての雑木は伐採されており、堂ヶ森・二ノ森・石鎚山・三ヶ森の姿が一層美しく望める。分厚い雲がかかっているのが玉に傷ではあったが、「来て正解」と太鼓判を押したくなるような眺望が開けている。北へと目を向ければ道前平野の町並み、そしてその向こうに青々とした燧灘が見える。木々の向こうには面木山の姿も見える。松山市内から車で時間足らず、徒歩時間1時間足らずでこのような景観に巡り合える山はそうざらにはない。2〜3人が限度といった狭い山頂ではあるが、先客もおらず、実にのんびりとした気分になれる。

「実にいい山だ」と独り言をつぶやきながら心ばかりの祝杯をあげる。昼食には随分早い時間であるが、じっとしていると凍えそうな寒さなので、湯を沸かしてカップヌードルをすすることとする。

いつまで居ても飽きることの無い景色を眺めながらじっと佇んでいたら、知らぬ間に1時間以上も過ぎていた。このままずっと居たいとも思ったが、天気は曇天方向へと移りつつある。また快晴の日に訪れようと心に決めながら、10:30、下山に移る。

下りは何度も足を止め、目の前に連なる山々の姿をカメラに収めながらゆっくりと下りる。それでも30分で営林小屋に到着した。

先ほどの素晴らしい景色の余韻を噛み締めながら林道を歩いていると、車を停めた場所辺りで登山者に出会う。「この先に黒森への登山口があるんですかね?」と問い掛けてきたので、自分が先ほど辿った道筋を説明する。景色の素晴らしさは着いてからのお楽しみということで、伏せたままにして.....。



【同行者】なし
【コースタイム】
[往路]九騎林道ヘアピンカーブ−(5分)−九騎峠(林道終点)−(8分)−小ピーク(紅白ポール有)−(12分)−ピーク(紅白ポール有)−(20分)−黒森
[復路]黒森−(30分)−九騎峠(林道終点)


帰りがけに、滑川中にある光林寺に久々に立ち寄った。清和源氏の流れをくむ源為朝の霊廟がある場所である。このように源平両者の伝承が目と鼻の先に残る土地というのもなかなか珍しいのではなかろうか。

余談ではあるが、この寺の境内からは面木山の雄姿を一望できる。



桜三里を越えて帰りがけにもう一個所寄り道を敢行する。川内町河ノ内にある金毘羅寺惣河内神社である。冬場になるとどうしてもここの「百日桜」を見物しないと気が済まない。花はだいぶん落ちてはいるものの、冬に咲く桜は趣が異なりなかなかのものである。俳人・松根東洋城の庵である一畳庵も正月のせいか一般開放されており、寄り道した甲斐があったとしみじみ感じた。
金毘羅寺の方は初詣や「伊予十三仏・すごろくまいり」で多くの人で賑わっていた。僕はといえば、本堂の前に聳える四本杉・道路脇の県指定天然記念物のウラジロガシを眺め、写真に収めるという風変わりの行動をとっていたのだが、せっかくなので他の人に負けじと、しっかり記帳をすることとした。(記帳代300円也)
 

 

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