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こたろう博物学研究所
探訪記録:20010708

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行道山・谷上山・えひめ森林公園【平成13年(2001)7月8日】


 (雑記)


 先々週からどうも腰の調子が思わしくない。重たいものを抱えたわけでもないのだが、6/24頃から腰に激痛が走り、3日間は殆ど寝たきりの状態になってしまった。整体に行ったり、ベッドの上で横になったりしていたら何とか歩けるぐらいに回復したのだが、それでもふとした拍子に再発しそうになるのであるから、なんとも心許ない腰である。

 愛犬も主人に同調したのか、大きな石を飲み込んで開腹手術・入院をする始末。よりによってこんなときに....と言ったところで仕方が無い。ゆっくり過ごそうと思っていた休日は動物病院に居座る一日へと変わってしまう。おまけに二度と石を飲み込まないようにと庭をコンクリートで固めるといった「左官業」にいそしまねばならない。

 なんとか庭にコンクリートを塗り込み、目処が立ってくると、腰痛のリハビリにかこつけて山への散歩へと繰り出したいところである。しかし腰患いにとって車の運転は苦痛である。長距離運転は何とか避けなければならない。どこへも行かず、家でじっと過ごそうとも考えたが、ニョーボが弁当をこしらえてくれたので、有り難く近場の山行へとしけこむことにする。

行道山【伊予市/砥部町】

 松前町内を抜け、目的とする大谷池へと向かう。大谷池の辺をぐねぐねと進み、七折へと続く坂道に差し掛かってすぐのところにある林道入口の路側に車を停める。このまま車で行けるところまで行こうとも考えたが、車検切れを理由に車を買い換えようと目論んでいる最中であり、何せ今は代車借用の身。ド・ノーマルの軽四自動車だから未舗装の林道を突き進んで行くだけのパワーが湧いてこない。こんな代車でも人様のものゆえ、腹をガリガリに擦るわけにもいかない。

 林道を歩き始める。重たい腰には丁度いいくらいのなだらかな勾配の道を進んでいく。この季節、低山徘徊ではさして珍しい花に巡り会うことも期待できないだろうとは思っていたが、本当に何一つ花に出会わない。退屈な林道歩きである。唯一合歓(ねむ)の花が確認できたが、8割は花が落ちていてしまっている。

 唯一の収穫は、雉の尻尾の羽根が落ちていたこと。茶色と黒のストライプが美しい。すぐさま拾い上げ、バッグのポケットに押し込む。

 それにしても人気の無い道である。こんな調子じゃ、誰一人として行き交うこともないだろう....と思って歩いていると、上方から何やら自転車の走る音が近づいてきた。1台、そしてまた1台。マウンテンバイクに跨った若者が計4人、僕の横をかすめて通り過ぎていった。なるほど、通行者も全く無く、急勾配な道でもないので、オフロードの訓練にはちょうどいいコースである。

 30分ほど歩くと、周りの景色が開けてきた。谷上山障子山の姿が確認できる。稜線にもだいぶ近づいてきた。曇天から日差しもこぼれるようになり、蒸し暑さが一段と増してくる。もう少し登れば道後平野の絶景が待っているのでは...と期待に胸を膨らませながら、ピッチを上げていく。しかし、予想に反し、尾根筋の道は北側が薮で覆われていて、期待通りの景色に巡り会うことはなかった。

 平坦な尾根沿いの道を進むが、ここにも花は全くといっていいほど無い。咲き遅れのヤマツツジが少々確認できた程度である。注意深く道端を観察しながら進むと、名も知らぬキノコが何種類か生えているのに気付く。仕方ない。これでも写真に収めていこうか。

 やがて道が途絶える。林道終点から先は、地図上では山頂付近に向かって登山道が記されているのだが、すっかり薮に覆われていて取り付くしまもない。

 煙草を吸いながら一息つくと、さっさと下山に移ることにする。折角小一時間かけて登ってきたのだが、障子山に向けての眺望以外に楽しめるものがない。その頼みの綱の障子山も水蒸気に包まれて白く霞んでいる。

 まあ今日は腰のリハビリが主目的。退屈な道を2時間足らず歩いたことも、腰を治すためと思えば良しにしなければ。
 

谷上山【伊予市】

 行道山から下りてきた後、車で元来た道を引き返す。大谷茶屋で飲み物を調達後、林道・歯朶谷線を通って谷上山へと移動する。
 第一展望台のところに車を停めて、まずは腹ごしらえをする。食事の途中で「そういえば、展望台入口のところにヤマモモの実が沢山落ちていたなぁ」と思い始め、弁当を食い終わるや否や食後のデザートの収穫へと移行する。

 甘酢っぱいヤマモモの実を堪能し、すっかり御満悦状態になったところで、本日2山目の谷上山登山に移る。宝珠寺山門の脇を抜け、鐘付堂のすこし先より右折。墓地の横から続く登山道を登っていく。かつては中山方面への街道であったらしく、道はしっかりしている。原生林さながらの樹叢も、奥深い山へやって来た気分にさせてくれる。

 伊予農業高校の実習林標柱のところから左に折れてややきつい勾配を道を10分少々進むと山頂に到着する。山頂には真っ青の紫陽花がお出迎えしていた。そういや、「昨年の今頃にもここ谷上山へと訪ねてきたなぁ」と記憶が蘇ってくる。

 標高456mの三角点より景色を眺めてみたものの、伊予市の町並みがほんの少し見えるだけで、格別とは言い難い。山頂滞在時間はここでも5分足らず。さっさと下山してしまった。
 

宝珠寺【伊予市】

 お決まりのコースといった感じで、下山後すぐに宝珠寺へと向かう参道を下って行く。やがて見えてきた宝珠寺の本堂は、去年見た姿のままで、屋根修復用の足場が周りを取り囲んでいた。ちょっと(だいぶ)風情を損ねている。いつになったら工事完了するのだろう。

 境内を一回りした後、「憩いの家」と名付けられた休憩施設のベンチに寝転がってしばし休息をとる。涼しい風が時折通り過ぎていき、汗で濡れた身体に涼をもたらす。なんとも心地よい風である。
 

えひめ森林公園【伊予市/砥部町】

 せっかくここまで来たのだから、最後はえひめ森林公園内を散歩してから帰ろう。いつもは子供連れでアスレチックコースを回るのだが、今日は一人なので、「管理事務所(森林学習展示室)→探鳥コース→林業学習コース→らくらくコース→第2林間広場→たんれんコース→管理事務所」のコースを歩くことにする。取りたてて特筆すべきこともなかったのだが、強いて言えば林間広場からのたんれんコースにもヤマモモが多く実っていた事が収穫であった。
 所要時間約1時間。ちょっと汗をかくには、ちょうどいい塩梅である。



 後はいつもの如く、家路を向かう途中、数箇所で道草を食う。

雲居国師(うんごこくし)生誕地【伊予市】

・伊予市指定文化財(史跡)(昭和62年2月24日指定)
・雲居国師の父は小浜左京といい、土佐中村藩主・一条兼定に仕えていた。
・天正10年(1582)、長宗我部元親に攻められ、重傷を負った兼定は道後温泉で湯治することになった。兼定の乳母であった左京の妻は、我が手で看病するため、遠い道のりを急いだ。身重だった彼女は三谷毘沙門堂で体を休めているときに産気づき、1月25日正午、立派な男子を生んだ。その子が後に雲居国師になる。
・雲居国師は青年時代から天下の名僧・傑僧を訪ねて諸国行脚修行の旅を続けた。その途中、元和7年(1621)、天徳寺(松山市)の南源師を訪ねた。その話を聞いた松山城主・加藤嘉明、明成父子はさっそく天徳寺を訪ね、その徳の高いことに感銘を深くし、雲居国師のために宝樹寺を創建した。
・寛永15年(1636)、55歳のとき仙台藩主・伊達政宗からの再三の招請により松島瑞巌寺の第99世の住職となり、中興の大業を成し遂げる。
・師は76歳で亡くなられたが、権力者や庶民に分け隔てなく接し、生涯木綿の僧衣をまとって倹約を示し、人々から生き仏と慕われた。
 

若皇太神宮【伊予市】

 特筆すべき事項無し。

西沼寺(さいじょうじ)【伊予郡松前町恵久美(えぐび)267】

・山号:宝珠山
・院号:地蔵院
・宗派:真言宗豊山派(本山:奈良 長谷寺)
・本尊:地蔵菩薩
・寺伝によれば、文亀2年(1502)、国司の命により、金蓮寺の7末寺の一つとして創建された。
・宝暦年間(1751〜1763)、石手寺の末寺となったが、現在は奈良県桜井市初瀬町総本山長谷寺の末寺となった。
・宝永8年(1779)本堂を再建した。現在の本堂・庫裏は昭和2年(1927)に建築されたものである。山門はそれよりも古く、明治初期に建てられたものである。[2001/7/8探訪時には、本堂・庫裏とも影も形もなく、山門のみが残ってた。]
・明治初年、当時の恵久美村里正(りせい)(明治3年庄屋の名称を里と改称)和田家当主の懇望により、武智五友(ごゆう)が寄寓し、近辺の子弟の教育に努めたという。
・境内の一隅には恵永学校(明治7年開設)が開設されていた。岡田郷各村に設立された学校を統合して、現在の岡田小学校となった。
 
【コースタイム】

@行道山
林道入口−(50分)→林道終点
林道入口←(35分)−林道終点

A谷上山
宝珠寺山門−(20分)→谷上山山頂
宝珠寺山門←(15分)−上山山頂

Bえひめ森林公園
●らくらくコース(2km、60分)
●たんれんコース(600m、20分)
●眺望ゾーン(400m、10分)
●アスレチクコース(2km、90分)
●渓谷探訪ゾーン(1km、30分)
●探鳥コース(4km、60分)
●林業学習コース(1km、30分)
●句碑めぐりコース
 



 

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